Fucking My Life ! 四十にして惑う

四十のおっさんに降りかかる災難のあれこれ

労作性頭痛

前稿で私は、1年で10kgのダイエットと細マッチョ化に成功したと書いたが、前半の停滞期がなければ半年で、標記の「労作性頭痛」と「頚椎症性神経根症」さえなければ3ヶ月で可能であったと思っている。

それは私がもはや後のない45歳の寂しい独り者だからだ。急ぐ他ない。私は毎朝、目覚めると片腕をホカホカの布団の中から出して虚空に掲げ、次のように呟きながらゆっくりと起き上がり、早朝のランニングとトレーニングにとりかかっていた。「燃えさかる炎もこの完璧なる肉体を灼くことはできぬ。 わが肉体は無類無敵。 されど哀しみはこの肉体を凌駕するというのか」と。哀しみを纏う者こそ最強と信じて- このようにマンガや映画のヒーローに自分を投影するなどしなければ、素面で真冬の早朝ランニングなどできるものか。

ランニングのコース上には幾つかの公園があったので、私は走るだけでなくその公園の鉄棒やその他の遊具を利用して、懸垂をしたり腕立て伏せのようなことをして細マッチョ化に取り組んでいた。多少の人の目は張り合いがあって心地良いものだし、実際に公園トレーニング中、何人かの女性から声掛けや差し入れをいただいたことがある。これがフィットネスジムに通う女性は自分自身に夢中だからなのか、意外にも目を合わせることさえなかったりする。いつでもどこでも、意外性や稀少性のある細マッチョでいることは重要なことだ。作業着を着てマッチョでいても当たり前になってしまうがスーツを着てマッチョでいるとかなりモテる。いやモテた(過去)。ということで、ドラゴのようにマッチョが闊歩して当たり前の場所ではなく、ロッキーのように屋外で鍛えられることをお勧めする。お金もかからないのだから。

で話が逸れたが、とある朝もこうして鉄棒を握り締め力を込めた時だった。「うっわ、痛ってーーー!!!」後頭部の左側を、まるで脳の血管が破裂するかのような脈打つような(拍動性の)激しい痛みが襲った。場所が場所だけに、初めてだと「ひょっとしてオレ死ぬ?」と思うほどの痛みでうずくまる。ただこの労作性頭痛、初めてではなかった。初めて経験したのは10年前の35歳頃、旅先で彼女とセックスの真っ最中だった。それも一番イイ瞬間に駆け上がりフィニッシュするタイミングで。だから結果は不完全燃焼となる。他人には1ミリも同情されないであろうこれほどご勘弁願いたい突発性の病気ってあるだろうか。セックスやオナニー程度の運動?でも、息むことで生じてしまう頭痛。息まない範囲で行う筋トレは軽すぎて達成感も乏しいが私は継続した。水をよく飲み、なるべく息を止めないで運動することで痛みを軽減することができたし、1~2週間か過ぎた頃、気づいたら治っていた。そういうものらしいし「病気」と呼ぶものでもないらしい。本当の試練はその1ヶ月後にやって来た。その名は「頚椎症性神経根症」という。これは経験者として、後進?のためにも絶対に書き残しておくべきことと思った次第である。